清掃方法の具体例
清掃時は感染のリスクがあることを認識し、必要に応じて手袋やエプロン等の個人防護具を着用します。
清掃のポイント
- 微生物は埃に付着して浮遊するため、埃を取り除く。
- 清潔箇所から汚染箇所に向かって清掃する。
- 上から下へ、奥から手前へ、一方向に清掃する。
- S字を描きながら清拭するなど、拭き残しがないようにする。
- 一度拭いたところには戻らない。
低頻度接触表面
- 例:床、壁 等
- 特別な汚染がない限り、定期的に除菌洗浄剤を用いて清掃を行う。
- 頻度:1日1回
高頻度接触表面
例:ベッド柵、手摺、ドアノブ、スイッチ、PCのマウスやキーボード 等
低頻度接触表面よりも頻繁に清掃し、必要に応じて消毒を行う。
環境用除菌クロスの活用が便利。
頻度:1日1回以上
こんな時は、アルコールで除菌を
保育現場等で子供の口が触れる可能性があり消毒剤の残留が好ましくないものや、素早く乾燥すると便利なもの等は、アルコールでの除菌がおすすめです。汚れがある場合は、先に中性洗剤で洗浄します。
血液や体液等による汚染がある場合
速やかに汚染箇所の清拭を行い、次亜塩素酸ナトリウムで消毒する。
清掃時は、使い捨ての手袋やガウン等の必要な個人防護具を着用し、汚染が拡がらないよう十分に注意する。
いざという時にすばやく対応できるよう、必要なツールをまとめた製品もご用意しています。施設での感染対策マニュアルを作成するとともに、嘔吐物処理セットを準備しておくと安心ですね。
環境整備に用いる次亜塩素酸ナトリウムの濃度
各種ガイドライン等で推奨されている希釈濃度と目的を示します。(該当箇所を一部抜粋)
2020年版 消毒と滅菌のガイドライン
- 糞便や吐物などで汚染を受けた可能性がある箇所(ノロウイルス対策):汚れを除去後、0.1%(1,000ppm)次亜塩素酸ナトリウムで清拭
- ウイルス汚染の環境:汚れを除去後、0.05~0.1%(500~1,000ppm)次亜塩素酸ナトリウムで清拭
高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版
嘔吐物や排泄物、吐物で汚染された床:0.5%(5,000ppm)次亜塩素酸ナトリウムで清拭
保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)
糞便や嘔吐物が付着した床の消毒、衣類等の漬け置き:0.1%(1,000ppm)次亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸ナトリウムは、広範囲の微生物に有効な反面、金属腐食性や使えない素材があるため、注意が必要じゃ。傷みやすい材質に次亜塩素酸ナトリウムを使用した後は、水拭きしよう。