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感染対策

過去の常識=現在の非常識!?

ユニフォームの清潔保持

ユニフォームを清潔に保つことは重要ですが、アルコールの噴霧は効果が不確実であり、引火性や吸引毒性の危険性もあります。
そのため、ユニフォームは適切に交換、消毒、ガウンやエプロンなどの個人防護具を活用するなどして、清潔に保つ必要があります。
使用中のユニフォームは、利用者や環境表面との接触により、メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)や、ESBL産生菌等の微生物で汚染されやすい状態にあります。また、これらの微生物は1か月間など長期間に渡り、環境中で生存可能なため、注意が必要です。

アルコール噴霧の有用性

アルコール消毒剤は、殺菌効果が高い、揮発が早く残留毒性がない等の利点から、手指や環境、器具の消毒など様々な場面で利用されています。MRSA付着ガウンに対し、約20cmの距離から3回アルコール消毒剤を噴霧したところ、96%の消毒効果が得られたという報告もありますが、消毒剤が噴霧できていない箇所には効果が得られません。完全な消毒効果を得るためには、全体がベタベタになるほど噴霧する必要がありますが、このような方法は非現実的であり、引火性や吸引毒性の観点からも控えるべきです。


ユニフォームの清潔保持

ユニフォームは予防衣であることを認識し、1日の業務状況、汗の付着の程度を考慮し、毎日または週に1~3回の頻度で交換します。微生物を施設外に持ち出さないためにも、ユニフォームは施設内でまとめて洗濯する等の処理を行うことが理想的です。

  • 頻回な洗濯

ユニフォームの清潔保持には、頻回に洗濯することが重要です。洗濯は、70~80℃・10分間などの条件による、熱水洗濯が最も望ましい方法です。


  • 個人防護具の活用

オムツ交換時など、湿性生体物質によってユニフォームが汚染される可能性のある場合や、ノロウイルス感染症患者などの介助で身体を密着させるなど、ユニフォームの汚染が考えられるケアを行う場合は、あらかじめディスポーザブルの個人防護具(ガウンやエプロン)を着用し、衣類の汚染を防ぎます。


・尾家重治;感染と消毒 消毒・Q&A,2009
・松本哲朗監修,KRICT編著;現場から生まれた感染対策実用ガイド,2006
・小林寬伊編集;最新病院感染対策Q&A エビデンスに基づく効果的対策,2004
・足立タツ子,山本千恵子,尾家重治,神谷晃;MRSA付着のガウン・シューズの除菌法,日本環境感染学会誌,1994 Vol.9 No.2

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