第3回:後発医薬品(ジェネリック医薬品)について<後編>
こんにちは!今回は「後発医薬品(ジェネリック医薬品)」を利用したいけど不安を感じる方に、「お試し調剤制度」と後発医薬品の一種である「オーソライズド・ジェネリック」についてご紹介します。
「お試し調剤制度」とは?
「先発医薬品」を利用しているが、「後発医薬品」*を試すことができる制度です。処方された日数分のうち、最初の短期間だけ「後発医薬品」に変更してお薬を出してもらい、服用して問題がなければ、残りの期間分も「後発医薬品」にしてもらうことになります。問題がある場合は、残りの期間分は変更前の「先発医薬品」に戻してもらうこともできます。利用をお考えの方は、医師、薬剤師に相談してみて下さい。
*「後発医薬品」の概要については、第2回コラム(後発医薬品について 前編)をご参照下さい。
1ヶ月分のお薬を「お試し調剤制度」を利用し調剤してもらった事例
はじめの1週間分は試しに「後発医薬品」をもらい、服用。効き目が今ひとつだったので、再来局の際、残りの3週間分は「先発医薬品」を出してもらった。
「オーソライズド・ジェネリック」とは?
一般的には、有効成分のみならず、原薬、添加物、製法等が先発品と同一である後発品をいう。後発品メーカーが、先発品メーカーの許諾(Authorize)を受けて、製造販売するため、「オーソライズド・ジェネリック(AG)」と呼ばれている。
(中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第137回)-薬価制度の抜本改革について- 資料 薬―1 14頁より引用。)
図1をご覧ください。第2回コラムでご紹介したように、一般の「後発医薬品」では、「先発医薬品」の「外観、添加剤や製造条件」が異なります。そのため、有効性、安全性、品質に不安を感じられる方がおられると思います。一方で、「後発医薬品」の一種である「オーソライズド・ジェネリック(以下AG)」では、「先発医薬品」の「外観、添加剤や製造条件」が「同じ」あるいは「ほぼ同じ」であることから、心理的にも「先発医薬品」とほぼ同じものとして、安心して利用できるのではないかと思います。お薬代は一般の「後発医薬品」とほぼ同じで、「先発医薬品」に比べて安く済みます。ただし、一般の「後発医薬品」に比べ「AG」に該当するお薬は少ないです(図2)。必ずしもご希望のお薬に相当する「AG」が発売されているとは限りませんのでご注意下さい。「AG」を試してみようと思われる方は、医師や薬剤師に相談してみて下さい。
図1:先発医薬品vs後発医薬品vs AG <「外観・成分・製造条件」*の比較>
*「製剤の外観など」、「有効成分の仕入先」、「添加剤」、「製剤の製造方法」、「製剤の製造工場」
製剤とは、原薬(有効成分)に添加剤を加えて、錠剤やカプセル等に加工し包装したもの。後発医薬品の場合、AGであっても先発品の「製品名」とは異なります。
図2:先発医薬品vs後発医薬品vsAG<品目数の比較>
【品目数に関する出典】
・厚生労働省(mhlw.go.jp) 薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(平成28年3月31日まで)
・製薬各社のニュースレター
掲載日:2021年10月20日