スキン-テア（皮膚裂傷）／褥瘡

スキン-テア（皮膚裂傷）

スキン-テアとは

スキン-テア（Skin Tear：皮膚裂傷）は、通常の医療・療養環境の中で生じる摩擦やずれによって皮膚がさけて生じる真皮深層までの損傷（部分層損傷）で、主に高齢者に発生する皮膚の急性損傷です。
高齢者で四肢にできやすい特徴がありますが、年齢や部位は問わずに判断されます。

なお、持続する圧迫やずれで生じた創傷と、失禁によっておこる創傷は除外されます。（褥瘡や医療関連機器圧迫創傷、IAD：失禁関連皮膚障害）
スキン-テアは、施設内だけでなく、在宅でも発生しています。そのため、施設スタッフだけでなく、患者と家族にも予防のための教育が必要とされています。

スキン-テアの予防

スキン-テアの発生と再発予防ケアのポイントを簡単に紹介します。

• 栄養管理（栄養状態の評価、必要な栄養量の補給、水分補給 等）
• 外力保護ケア（安全な環境の整備、安全なケア技術、安全な医療用品等の使用）
• スキンケア（皮膚の保湿、皮膚の洗浄方法、寝衣の選択）
• 医療・介護者、患者・家族への教育

スキンケアのポイント

皮膚の洗浄方法

• 弱酸性の洗浄剤を選択すると良い。ただし、乾燥が強い場合は、洗浄剤による洗浄を控える、あるいは保湿剤配合の洗浄剤を選択する。
• 洗浄時は泡で優しく洗浄し、手のひらで洗う。洗浄成分が残らないよう、よく洗い流す。
• 保湿入浴剤を使用する。あるいは、上がり湯に保湿成分入りの湯を用いる。

皮膚の保湿

• 低刺激性でローションタイプなど伸びが良い保湿剤を1日2回 、あるいは状態によってはそれ以上塗布する。
• 保湿剤は摩擦が起こらないよう に皮膚の毛の流れに沿って押さえるように塗布する。
• 特に冬期は乾燥しやすいため、室内の温湿度を調整する。

褥瘡（じょくそう）

褥瘡とは、寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。一般的に「床ずれ」ともいわれています。
長期間寝たきりで栄養状態が悪い、皮膚が弱くなっている（高齢者、排泄物や汗により皮膚のふやけがある、むくみが強い、抗がん剤やステロイドなど薬の副作用で免疫力が低くなっている）人が、圧迫だけでなく摩擦やずれなどの刺激が繰り返されている場合は、褥瘡になりやすいと言われています。

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